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ポメラニアンの歴史

ドイツのポメラニア地方で生まれた牧羊犬

ビクトリア女王に愛された、小さく美しく洗練された犬種!

ドイツの地図

北方スピッツ系のそり犬の子孫

ポメラニアンはスピッツ種の中でいちばん小さい犬。
故郷のドイツでは、クライン(小型)よりも小さいためツベルク(小人)・スピッツと呼ばれています。
世界中でこよなく愛されている人気者ですが、愛玩犬としての華やかなキャリアがスタートしたのは意外に遅く、 19世紀末からです。
 先祖は北ドイツのポメラニア地方で羊の群れの番犬や作業犬として有能な働きをしていた犬です。
その犬は、約1万年前に発祥した古代犬種の流れを汲む北方スピッツ系のそり犬、サモエドがルーツといわれ、 現在のポメラニアンよりもはるかに大きい犬でした。

ビクトリア女王との出会いで運命が大転換

18世紀にやや小さく改良され、19世紀の中頃、ドイツの小型スピッツとしてイギリスに紹介されています。
ポメラニアンの運命を変えたのは、イギリスのビクトリア女王(1819~1901)との出会いでした。
 1888年、女王は旅の途中で見つけたこの犬をたいへん気に入り、連れ帰ってウィンザー城のホーム・パーク・ ケネルで熱心に愛育します。やがて女王の愛犬たちは定期的にショーに登場するようになり、1891年の第1回 クラフト・ショーではすべてのクラス1席を獲得して、優勝。ポメラニアンは「女王の犬」と呼ばれるようになり、 一躍流行犬種の仲間入り。  女王はライバルの愛好家ミス・ハミルトンと繁殖を競い、賞を分け合いながら、今日のポメラニアンの基礎を 作り出しました。そして亡くなる日までポメラニアンをそばにおいて、慈しんだのです。
 女王が賛美者だったポメ。伝統的に猟犬を愛することが多いイギリスで人気が沸騰したのは、 ひとえに女王のおかげ!

20世紀に小型化され世界のアイドルへ

中世の頃にバイキングによってヨーロッパに持ち込まれた中型のパワフルなそり犬が、ポメラニア地方 でいくぶん小さく改良されて牧羊犬として活躍。19世紀、イギリスにデビューした頃は平均体重が約14kg。 ショーで優勝したビクトリア女王の愛犬マルコは5.5㎏あり、現在の約2倍の大きさ。やっぱり大きい!
 ビクトリア女王はやや大きめのポメラニアンが好みだったと言われています。 大きさにばらつきがあったポメラニアンの小型化が加速し、今日のモダン・ポメラニアンが誕生したのは 20世紀に入ってから。人気も、世界へと広がりました。
 日本に優秀犬が入ってくるようになったのは1960年代です。80年代には、日本から逆輸出されて 1982年にクラフト・ショーで優勝。世界的に有名なケネル、ハドレ-犬舎の系譜を受け継いだ事で、今日、 日本のポメラニアンの質的水準は世界のトップです。

成美堂出版「ポメラニアンの飼い方」監修:五十嵐一公より抜粋

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