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知っておきたい恐ろしい各種伝染病とその症状

【フィラリア】
伝染病の中で最も気がかりなのがフィラリア症です。
体内に寄生してもすぐに症状は現れないが、意外と病の進み方が早く、 症状がでてからでは治療するのも難しく、命に関わることもケースもある。
感染経路としては、まず犬の心臓に寄生したフィラリアの成虫が、血液の中に 子虫を産み落とす。その子虫を、中間宿主である蚊が血液と一緒に吸い込み、 かの体内で成熟させる。さらにその蚊が他の犬を刺し、この時、成熟した子虫が 再び犬の体内に侵入して、数ヵ月後に心臓に入り込む、という流れです。
この病気に感染すると、血尿、嘔吐、脱毛、貧血、腹水などの症状の後に、 内臓にも障害を起こしてしまいます。
予防法は、ワクチン接種ではなく投薬。獣医に相談した上で、 蚊の発生時期に合わせて飲ませましょう。
【ジステンパー】
生後1歳未満の幼犬に多く発生する病気。
他の犬の尿や便からウイルス感染する。 高熱が数日続き、食欲不振、目ヤニ、せき、鼻汁などがたくさん出て、 消化器が侵されると嘔吐や下痢なども重なる。 放置しておくと脳の中枢神経がやられ、7割以上の確率で死亡するので、 早期に発見することが大事。
予防には、ワクチン接種を。
【パルボウイルス】
別名「イヌのコロリ」とも言われ、激しい嘔吐と下痢が特徴。
感染すると脱水症状にみまわれ、子犬の場合は突然死亡する。
成犬であっても衰弱が激しく、集中治療を必要とする。
死亡率が高い病気なので、予防の為に必ず混合ワクチンの 接種を行っておこう。
【レプトスピラ】
チフス型とワイル型の2つのタイプがあり、どちらも高熱、嘔吐、脱水症状をおこし、 ワイル型の場合は、これに加えて黄疸が出る。
感染すると6~8割が死亡する。 病犬の尿の中に病原菌がいるため、散歩途中などで犬が尿の臭いを嗅ぐことによって 感染してしまうケースもある。 予防法は、ワクチン接種が最善策。

こんな病気にも注意しましょう

【内臓疾患】
冬場は、とくに老犬に内臓疾患の症状がでやすくなるシーズンです。 黄疸症状が現れたり、血尿が出たら要注意。 血尿が出ないまでも、尿の色が変化したら肝機能が減退している恐れがあるので、 すぐに検査をしてもらおう。
また最近では、肝臓動脈のうっ血によって腹水がたまるケースが多くみられ、 こうなると見た目にも変化が現れる。
肋骨あたりが太くなったり、 腹がボテッと出てきたりしたら注意が必要。
【ケンネル・コーフ】
季節の変わり目は気温の変化も激しく、気管支を病んだり、発熱や下痢をまねいたりと、 犬も体調を崩しやすくなる。
この時期に気をつけたい病気のひとつがケンネル・コーフ。
アデノ・ウイルスおよびヘパティティス・ウイルスが気管に感染し、激しいせきを発する病気です。 症状としては、普段通りに元気だが咳だけを発する軽症のものと、 発熱や食欲不振をまねく重症のものとがあり、ひどい場合は合併症を引き起こして 死亡することもある。 一般的には前者の症状が多く、この病気にかかったことのない子犬および若犬が感染しやすい。
【腸内寄生虫】
4月から5月にかけては腸内寄生虫の増殖期です。必ず検便をして、駆虫剤を使用しましょう。
ただし、腸内に寄生する成虫に関しては駆除できるが、成虫が産んだ虫卵には駆虫剤の効果は少なく、 体内で孵化した虫卵が成虫になる前に、もう一度駆虫剤を使用することをおすすめします。
寄生虫がいる犬は健康管理が難しく、とくに子犬は発育にまで影響してしまいます。
症状としては、貧血になったり、腹部にガスがたまったりします。
下痢を起こしやすく、粘液便を排泄し、血便が出ることもあります。
【湿疹】
梅雨に入るとノミの増殖が激しくなり、おまけに湿気も多いために、皮膚病を患いやすくなる。
とくにポメラニアンのような長毛種は、湿疹などが発見しにくいので、日頃の被毛の手入れが肝心です。
湿疹には急性と慢性とがあり、急性の場合には手入れの不良、ノミの寄生、魚肉の多食、 胃腸障害などが原因にあげられます。
慢性症は、おもにフケが完治しないで湿疹になるケースが多い。
常に清潔を保って予防につとめるようにしましょう。
【外耳炎】
耳道が炎症を起こす外耳炎は、犬の中で一番多い耳の病気です。
耳垢、被毛および異物の蓄積によって発生するといわれているが、正確な原因はまだ分かっていない。
犬が後ろ足で耳をしきりにかいたり、頭を振ったりするしぐさがみえたら異状があるサイン。 臭いはないか、分泌液が出ていないか確認しましょう。
外耳炎が進行すると潰瘍が現れ、耳道は狭くなり、綿棒すら入りにくくなります。 発見したら早期に治療をして完治させましょう。
参考文献:新犬種別ガイド・シリーズ 「ポメラニアン」
編集者:愛犬の友編集部
発行所:株式会社 誠文堂新光社
 
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